【ちきりん】マーケット感覚を身に付けよう

のびた
のびた

来年起業して自分のビジネスを立ち上げるんだ

どんどん売れればいいね。

のびこ
のびこ
のびた
のびた

そんなに簡単じゃなさそうだなぁ。モノを売るためにはマーケティング感覚が必要なんだ。

マーケティング感覚ってなに?

のびこ
のびこ
のびた
のびた

世の中で何が求められているかを感じ取る力なんだ。それを詳しく知るためにはいい本があるよ。ちきりんさんが書いた 「マーケット感覚を身につけよう」だ。

今回は、ちきりん(著) 「マーケット感覚を身につけよう」について、解説していきます。

著者は、米国の大学院を卒業後、証券会社を経て、ブログ、Voicy、twitterでも活躍している社会派文筆家です。

主な著書は、以下です。

市場と価値

 市場とは、モノを欲しい人と売りたい人が互いの求める価値を交換しあう場所です。

売りたい人は、そこで適切な価値提供ができて買い手に価値を提供(売る)ことがきます。

 モノを売る時、売り手は買い手が求めている価値をしっかり理解していることが重要です。

価値とは買い手にとってモノがあることで得られる好ましい変化です。

したがってどんなに高機能でも買い手がそれを使ってどのように快適になるかを訴求できなければ買い手はモノを買うことはありません。

 本書は、このことを海外部門を統括する事業部長の例でわかりやすく説明しています。

海外子会社の事業が怪しい。テコ入れのため現地に赴きたいが、時間とコストがかかる。

その場合、部長が抱えている課題は、各子会社とコミュニケーションをどのようにとるか、です。

それを解決するのは、出張に使う飛行機会社だけではありません。

高速ネット環境とwebシステムです。

このように買い手が求める「価値」を分析して表面上に見えることの奥まで分解することができればマーケット感覚を身に付けることができるのです。

相対取引と市場取引

 今まで地域の商店街では、地域で収穫・生産されたモノが主に取引されていました。

また、結婚も親戚や地域の有力者が相手を連れてきて、お見合いで決まることが一般的でした。

しかし、インターネットが発達した今、買い手のニーズを提供するのは、限定された狭い領域からだけではありません。

例えばAmazonにアクセスすると日本中、世界中の売り手がモノを販売していますし、婚活マッチングサイトでは、求めるスペックに合った好みの異性を選ぶことができます。

 限定された地域性の強い場の取引(相対取引)は、どんどんネットの様にオープン取引(市場取引)に移行しています。

モノや結婚相手さらには就活や大学のランキングに至るまで、市場取引での競争力をつけていないと見向きもされない時代になっているのです。

マーケット感覚で見た世の中

 マーケット感覚が身につくと、今までの当たり前が当たり前でなくなります。

本書は、英語の学習について指摘しています。

英語は確かに国際的に標準的に使用されている言語です。

ただ、今から学ぶことに諸手を挙げて賛成すべき言語なのでしょうか。

マーケット感覚で言うと、これからの市場取引では、英語を学習した日本人を採用するより英語を使用して生活をしているインド人やフィリピン人を安い人件費で採用すると考えた方が自然と考えます。

であれば、英語よりこれから経済が発展するインドネシア語の方が将来にニーズが高まるかもしれません。

このようにマーケット感覚をつけることによって、過去や今の状況よりこれからどう変化していくかを見極めた行動をすることができるのです。

価値について

 本書で例示されている「高校野球」と「ジャパネットたかた」。

それぞれ高校生のスポーツとTV通販の分野では最大の成功事例です。

なぜこのふたつは、成功を収めることができたのでしょうか。

その答えは、適切に価値提供できたことにあります。

高校野球は、野球好きのなかでも根強いファンがいます。

超一流のワザで魅せるプロ野球より高校野球の方は好きな人がいます。

なぜでしょうか。

それは、高校生の純粋で直向きな戦いかた、トーナメントによる一球で高校生活すべてをかけた野球が終わってしまうドラマがあるからです。

この価値を大人たちがうまくプロモーションして巨大な高校野球マーケット(放映権、選手・応援の移動、宿泊など)を創造したのです。 

また、ジャパネットたかたは、TV通販大手です。

人々がここから購入するのは、厳選されて本当にいいものが販売されているのでは、という買い手の安心感を価値にしているからです。

近所の他の家電量販店でも普通に手に入る商品も販売していますが、量販店い足を踏み入れると多くの類似商品が合ってとても選べません。

 以上のことから言えるのは、売り手は、買い手が潜在的にもっているニーズをうまく吸い上げて価値提案すればいいのです。

後は商品が持っている機能がそれを果たしてくれるのです。

マーケット感覚の鍛え方

本書は、マーケット感覚の鍛え方を5つ紹介しています。

そのうち、ふたつほど紹介したいと思います。

プライシング

モノの価格には相場価格があります。

例えば、都心の駅近タワーマンションは数億円、地方の6LDK一戸建ては数千万円で売りに出されていたりします。

人はその相場価格を見て自分が買いたいモノの価格が妥当かどうかを判断します。

でも相場というのは実は売り手の設定した価格。

買い手は自分が必要かどうかの基準で価格を判断するべきです。

このように、買う側も、売る側が価格を決めるメカニズムをしっか理解することでマーケットの感覚が身についてきます。

インセンティブ

 人が行動を起こす時には必ず動機があります。必ずしもお金のためだけではありません。

名誉なのか、意地なのか、それは人によって様々ですが、人が行動を起こすインセンティブを理解することがとても大事なのです。

本書では、あるアイドルがステママーケット(使ったことない商品をSNSで宣伝した)をして炎上した例を挙げていました。

SNS上でお金のためにステマをするなんてけしからんと言われてしまったのです。

でもそのアイドルは本当にお金のためにステマに手を染めたのでしょうか?

マーケット感覚で考えると、どうもそうとは思えないのです。

そのアイドルの本当のインセンティブはもっと人気者になりたい、そのために日頃お世話になっている方の依頼も積極的に受けて自分ができることをやっていきたい、と思ったのではないでしょうか。

「マーケット感覚を身につけよう」まとめ

本書では、インターネットの出現で相対取引が市場取引に急激に変化していく中、モノの売り方も劇的に変わっていくことを指摘しています。

価値とは、モノを使う人が感じる利便性。

従来認識されていた価値を再定義することで新たなマーケットが出現するのです。

変化を恐れたり、拒否したりする必要はありません。

むしろ個人がマーケット感覚をつけることで、オープンな市場で平等にビジネスチャンスが生まれるのです。