会社で出世したい。人から評価されたい。開発した新製品をプロモーションしたい。でも方法がわからない。このような悩み解決のためには、ある心理作用にヒントがあります。第一印象が良ければ能力の高い信頼できる人と思ってしまいますよね。反対に目立つ特徴が劣っていれば、それ以外の要素(全体)も劣っていると評価してしまいます。このように一つの印象が全体に影響を与えることをハロー効果と言います。ハロー効果は人の人生を大きく左右します。新商品の売り上げにも影響します。ハロー効果で成功する秘訣がこの本を読むことで理解できます。
ハロー効果という心理学的用語をご存知だろうか。
ある対象が卓越した特徴を持っている時、この特徴により他の要素の評価がそれに影響されること。
ハロー(halo)とは天使・聖人の頭上に描かれている光輪のこと。
「ポジティブハロー効果」と「ネガティブハロー効果」の2種類がある。

「ポジティブハロー効果」とは、第一印象が良ければ全体がよく印象付けられること。
「人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」できまっている」。
この本の作者は、「ポジティブハロー効果」の存在を理解・認識し、それをうまく活用することで人生を有利に進めることができると主張する。
人に好印象を植え付け、実力以上の評価を得て成功街道をひた走る。
これが可能になる理由は、人の心理にある。頭の中にひとたび植え付けられた印象は、論理的に整合するため他の脳内情報がすべて上書きされるのだ。
つまり他人から都合よく錯覚してもらえれば、あなたの行動・発言すべて好意的に見てもらえる。
有名ブランド品は高品質。東大卒はすべての能力が高い。あの俳優がCMしてるので商品はいいものだ。
これらは「錯覚資産」による根拠のない事実だ。
だが、人はこれらが根拠のないこと認められないのである。
このように人から好意的に錯覚されることを「錯覚資産」とこの本では定義づけている。
小さな成果でも人から認知される。第一印象をとにかくよくする。
積極的に提案する。一番に「私がやります」と手を上げる。
特に最初にこのようなことで「錯覚資産」を手に入れることができればその後のキャリアは順調この上ない。
もちろん、錯覚資産だけでうまくいかない。錯覚資産に見合うスキルアップも必要だ。
しかし、これも問題なし。錯覚資産を活用すると、周りから期待され、いい待遇といい処遇を得てスキルアップしやすい環境に身を置くこともできるのだ。
錯覚資産さえ持てば、錯覚資産→環境→実力(スキルアップ)→成果→…このループが回り始めるのである。
真の実力は後からつければいいのである。
あなたが「錯覚資産」を活用したいのなら、成功は実力だという思考の錯覚をすぐにでも捨てるべきだ。
作者は言う。
「植え付けられた固定観念「成功は運や実力によって決まる」、この思考の錯覚の有害性はどんなに強調しても強調しすぎることはない」。
ようするに成功は、錯覚を資産化することなのだ。

私も長年会社から評価され続けてきた。今の立場が実力でなく時々の上司の「錯覚」に影響されてきたのであれば、もう少し立ち居振る舞いを要領よくできたのにと思う。でもこの本は30年前にはなかったな。。。