2024年9月30日、豊かなセカンドライフを実現するサロン”早期退職研究所”が主催するX企画において
「現役内科医がアドバイス、人間ドックはこの結果を見よう」
というテーマでスペースを行いました。
お相手は健康の部屋担当講師やす先生です。
\豊かなセカンドライフが実現するサロン/
本記事は、その時のスペースの書き下ろしです。
この度はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございました。
早期退職アドバイザーのみらいのびたです。
お時間になりましたので始めたいと思います。
まずはこのスペースの目的について簡単に紹介させていただきます。
今回のスペースの目的は私の運営するサロン早期退職研究所の告知と、どのようなサロンなのかを直接お話しする目的で開催させていただいています。
早期退職研究所の理念は「人生100年時代を軽やかに居心地の良い場所でお金と健康の心配に無縁な人生を実現する手助けをする」です。
来月10月1日の朝7時より10月6日まで特別招待スタンダードプランの登録を開放します。
詳しい情報は下記のQRコードから公式ラインを登録してお待ちください。
本日スピーカーとして登壇していただいているやす先生をご紹介いたします。
やす先生は、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医など数々の専門領域をもっておられる総合内科専門医です。
今年8月1日にご自身のクリニック横浜LA内科・内視鏡クリニックを開業されています。
それではやす先生、自己紹介をどうぞ。
ご紹介ありがとうございます。
やす先生と申します。
私は消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医などいろんな専門を持っていますが、ひとことでお伝えすると内科医歴16年の街のお医者さんです。
親しみやすさを大事にしています。
今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
早速ですが、やす先生に『知って安心、早めに対処|現役内科医がアドバイス、人間ドックではまずこの結果を見よう』というタイトルでお話を進めていきたいと思います。
今回のスペースでは3つにわけて小さいテーマで進めていきたいと思います。
まず「そもそも人間ドックってなに?会社の定期健康診断とどう違う?」、「人間ドックの検査項目範囲について」、そして「知っておきたい検査項目数値の見方。異常を指摘された時の対処」です。
では、最初の「そもそも人間ドックってなに?会社の定期健康診断とどう違う?」からご解説お願いします。
そうですね。まず定期健康診断と人間ドックの違いなんですが、大きく違うのは定期健康診断は法的診断といって従業員を1人でも雇う企業は年1回の検診を受けさせないといけないという法的な決まりがあるんですね。
従業員が50人以上になければ『定期健康診断結果報告書』を所轄労働基準監督署に提出する義務があります。
もちろん費用は会社持ちです。
他方、人間ドックは誰でも任意で自分の判断で健康診断を行います。
この時の費用は自費です。
なるほど、定期健康診断は会社の求めに応じて実施しないといけないのですね。
そうなんです。その分検査項目は絞られていて必要最小限になりますけどね。
ということは、定期健康診断の項目にない検査で、ご自身がなにか持病を抱えていたり気になっていたりして別途検査するなら人間ドックですね。
おっしゃる通りです。
やす先生のお立場から教えてください。
定期検診や人間ドックは1回/年の受診は必ずやっておいた方がいいのでしょうか?
実は、この質問は答えるのが難しいのです。
なぜなら定期検診を年1回やったからって必ず病気にならないかといえば、実は明確なエビデンスがないのですね。
一方、定期検診や人間ドックが病気の早期発見に繋がるのも事実です。
へぇ~。健康診断や人間ドックは長生きに繋がるエビデンスがないのですね※。
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健康診断と長生き
「定期健康診断は寿命を延ばすか」は経済産業研究所(RIETI)関沢洋一フェローのコラムです。
続きを見る
そうなんです。そもそも健康診断を受けて異常を指摘されても二次受診しなければ検査の効果として表に出てきませんし、そのような人は健康に対する意識も低いので健康診断してもしなくても病気になりやすい。
なるほど!健康意識の高い人は健康診断にしっかり行くし、指摘されても対処する、そしてなにより健康意識が高いので日頃から健康的な生活をおくっている人の寿命が長いんですね。
これは「健康診断に行っている=寿命が長い」ではなく「健康意識が高い=健康生活のなかに健康診断も取り入れている」ということですね。
”健康意識が高い、低い”という要因が影響していたら純粋に「健康診断に行く・行かない」による寿命の効果は分からないですよね。
だからエビデンスが取りづらく健康診断が長寿の効果があるかどうかがわからないのです。
なるほどです。
もう一つ質問いいでしょうか?
私、糖尿病と家族性高脂血症の持病があり、2か月に1回主治医のクリニックに通っています。
そこで定期的に血液検査をしていて異常があったらすぐに見つかる環境にいます。
このことで年1回の検診に行かなくていいと言えますでしょうか。
主治医がいることはいいこでですね。
のびたさんは糖尿病と高脂血症ということですが、おそらく血液検査もそれらの病気にかかわる検査項目に絞っているのではと思います。
でも定期検診や人間ドックでは血液中の血糖や脂質以外にさまざまな検査項目もありますし、がんなどの早期発見はやはり定期検診や人間ドックの方が見つかりやすいでしょう。
だから持病で定期的にクリニックに通っていても人間ドックで総合的な診断をしてもらうのは有効ですね。
ありがとうございます。もうひとつ質問ですが、人間ドック以外に脳ドックとかがん検診ドックとかありますよね。
おすすめのドックはありますか?
これも難しいですよね。
確かに脳ドックやPETドックのような特定の臓器や病気に特化したドックってありますよね。
これも早期発見につながらないとは言えませんが、検査項目が増えると数値が引っ掛かってくる可能性も増える訳ですよね。
そうすると人によって心的ストレスにもなりますし、本来は自然に治るような症状でも人によっては治療を始めてしまい、不要な投薬や治療を行ってしまうこともあるのですね。
そのことで副作用に苦しんだり...
あと、エグゼクティブ用の高額な人間ドックなんかも正直微妙ですね。
先生によっていろんな意見があるのでここは私個人の意見ではあるのですが、お金を払ったからといって寿命が延びるというエビデンスもないのです。
なるほど。最終的には個人の判断によるところが大きいのですね。
気になる人は積極的に検診して、気にならないなら必要最小限がいいかもしれませんね。
それでは次にもう少し深掘りしていきたいと思います。
ふたつ目のテーマは「人間ドックの検査項目範囲について」です。
人間ドックの検査項目範囲について詳しく教えていただけますでしょうか?
そうですね。
人間ドックの検査項目の範囲は「基準範囲」と呼ばれています。
この数値は健康な人の検査成績をもとに算出されます。基準範囲は、健康な人の検査成績をもとに、健康と考えられる人の95%が含まれる範囲が設定されているのです。
ということは中には健康であっても基準範囲から外れる人もいるし、異常があっても基準範囲に入ってしまう人もいたりするのです。
あくまでも目安で、基準範囲内だからといって安心してはいけないってことですね。
そうですね。
そして、大事なのは過去からどのように変化していったかです。
確かに、私は幸か不幸か高血糖と高脂血症なので同じ主治医に10年以上見てもらっています。
カルテには10年分の数値の推移が記録されているのです。
この推移を追うだけでも多角的な判断が可能ですね。
はい。
そして1回の検診でどこかに異常があっても特定の病気と診断しません。
可能性をいくつか検討して他に様々な検査を重ねて決めるのです。
従って、項目の一つが異常値になってもすぐには治療には進まないのです
なるほど。
血糖値が高く、体重も身長の割に重くて運動不足や甘いもの好きなどの情報を総合的にみて「糖尿病」と判断し、しかるべき治療を行うのですね。
ありがとうございます。
質問です。
数ある検査項目の中で一番重要なもの、注意してみておいた方がいいようなのもはありますか?
そうですよね。
検査項目でぜひ注意してほしいのはヘモグロビンという検査項目ですね。
血液検査の「血色素」という項目名ですが、低い時は要注意です。
ヘモグロビン値が小さいということは血液中の赤血球が少ないことを意味し貧血気味の方に多いですね。
単に鉄分不足の場合もありますが、身体の内で起きている出血も疑われます。
そのときはすぐに精密検査をした方がいいでしょう。
ほかに腎臓病に(腎性貧血)や腫瘍、骨髄の異常(再生不良性貧血)も疑われます。
ヘモグロビンですね。注意してみます。
あと、逆にこれは毎年はいらないのでは?という検査項目はありますか?
そうですね。例えば、胃がん検診は50歳から2年に1度定期的に受診することが推奨されています。
ただ、バリウム(造影剤)を飲んで胃部をX線検査する方法はがんの発見率が低く、私としては口または鼻から胃の中に内視鏡を挿入する「胃内視鏡検査」を推奨しています。
また胃がんの原因になるピロリ菌の有無の検査と、ピロリ菌がいる場合は駆除もぜひ検討しておいてほしいですね。
バリウムはツラいですよね。来年は「胃内視鏡検査」にします。
素朴な質問なんですが、人間ドックや健康診断で前日夜から食事を抜きますよね。
なぜ食べてはいけないのでしょうか?
食事をとっていいのは前日21時までとされていますが、これは食べたものが血液の数値に影響するからです。
血液検査の12時間以上前から控えるのが基本ですね。
あと、胃がん検診も食べ物が胃の中にあればできません。
なるほど。確かに最後に食事してから検査までの時間がばらついたら前回と比較できませんよね。
では最後にみっつ目のトピック「知っておきたい検査項目数値の見方。異常を指摘された時の対処」についてお話を聞かせていただきたいと思います。
そうですね。これも先ほどお話しした内容とかぶりますが検査項目が悪く出たからといって一喜一憂するのではなく、あくまでも二次検診のきっかけとして捉えて頂ければと思います。
健康診断や人間ドックで要経過観察、要再検査と診断されても慌てず医師の指示に従いましょう。
ただ要精密検査と指摘された時は必ずしかるべき対応をとって早急に精密検査を行って原因の追求と処置して下さいね。
いずれにしても定期検診や人間ドックの結果をペースメーカーに適切な対応を継続して行っていくことが重要なんですね。
そうですね。日頃から健康によいとされる生活習慣を継続して行い、そのなかに定期検診や人間ドックを取り入れていくのがいいですね。
定期健康診断は会社で強制されますが、退職後には自費で健康チェックをしないといけませんよね。
健康で長生きするためには日頃から健康意識を高めておくことが大事ですよね。
このあたりはサロンに入っていただいて、じっくりまた講義とかで直接やす先生とお話する機会も設けます。
ぜひサロンにご入会くださいね。
\豊かなセカンドライフが実現するサロン/
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最後に、
定期健康診断、人間ドックを漠然と受診していたのですが今回やす先生に教えてもらって注意すべきポイントがわかりました。
結局は検査で引っ掛かってもそれは病気に気がつくきっけかに過ぎないのです。大事なのは健康意識。
日頃から暴飲暴食をせずにバランスの良い食事を心がけ、適度な運動を続けることで健康な状態を長続きさせましょう!
有益な情報、ありがとうございました。
どうもありがとうございました。