失敗しない早期退職の準備 基本手当(失業手当)の受給額

私のブログ「失敗しない早期退職の準備 失業手当の対象者と受給期間」では、日本の社会保険制度、雇用保険、そして失業手当をもらえる条件や期間について説明しました。

失敗しない早期退職の準備 基本手当(失業手当)の対象者と受給期間

失敗しない早期退職の準備 失業手当の対象者と受給期間  今の会社を退職することを考えている方。次の仕事場が見つからない間、無職となり将来が不安ですよね。しかし日本は社会保険制度が充実しています。それま ...

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本記事では、みんなが気になる実際にもらえる金額について紹介したいと思います。なお、雇用保険制度における「失業手当」の正式な呼び方は「基本手当」ですが、よく知られている「失業手当」という言葉を使います。

失業手当としてもらえるお金 

結論から申し上げますと、失業手当の額は、離職日の直前の6か月の平均賃金額(賞与等は含みません)の50%~80%(60~64歳については45~80%)です。例えば、過去6か月の平均月給が25万円であれば、12.5~20万円(60~64歳については11.25万円~20万円)/月となります。ただし、失業手当の額は年齢ごとにその上限額と下限額が定められています(失業手当の給付額の計算方法)。

受給者の資格について おさらい

前回の記事でも紹介したとおり、失業手当を受給できる条件は、2つあります。

失業状態にあること。失業状態とは、離職し、就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態にあること

です。本人やハローワークの努力もむなしく、なかなか就職にある付けない期間に相当します。もう1つは、

退職日前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算して12か月以上あること

となります。ただし、会社が倒産あるいは、会社に解雇される等により離職した方については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも資格保有者になります。

受給者の種類について おさらい

 また、失業手当を受給できる人は、離職理由によって「一般離職者」、「特定受給資格者」、「特定理由離職者」、「就職困難者」に分類されます。

「一般離職者」・・・通常の退職理由。いわゆる一身上の理由です。

「特定受給資格者」・・・倒産や解雇による会社都合の退職者。

「特定理由離職者」・・・自己都合でも、心身の病気、妊娠、家族の介護、転勤など。

「就職困難者」・・・身体、知的、精神に障害がある方(各種手帳を保有している人)など。

 まずは、ご自身がどの分類になるのかを確認することが最初に行う確認です。

失業手当の給付額の計算方法

 それでは、詳細に失業手当の給付額を日額ベースで計算してみましょう。

賃金日額の算出

 まず、お手元に過去6か月分の給与明細をご準備ください。賞与は除きます。

 賃金日額=退職前6カ月間の給与総額÷180

例①: 退職前6カ月間の給与総額=総額  45万円  360,000÷180=賃金日額2,000円

例②: 退職前6カ月間の給与総額=総額180万円 1800,000÷180=賃金日額10,000円

例③: 退職前6カ月間の給与総額=総額360万円 3600,000÷180=賃金日額20,000円     

失業手当日額の算出

 失業手当日額は、年齢と賃金支給日数によって変動します(乗じる率が異なる)。また、最低日額(年齢関係なし)と上限日額(年齢によって異なる)があります。

失業手当日額=賃金日額×45~80%

例①: 賃金日額2,577円⇒最低日額未満の為、最低日額(全年齢一律2,061円/日)が適用される

例②: 賃金日額10,000円⇒下記早見表Aを参照ください。

例③: 賃金日額20,000円⇒失業手当日額の上限額を超えていますので、年齢により下記表Bの支給額になります。

失業保険(基本手当)支給額
早見表A:失業手当(基本手当)支給額早見表【令和3年8月1日現在】
早見表B: 出典:ハローワークインターネットサービス 支給額

失業手当を受給できる総額

 失業手当を受給できる総額は、所定給付日数との掛け算になります。所定給付日数については、私の過去記事をご参照ください。

「失敗しない早期退職の準備 失業手当の対象者と受給期間」

失業手当受給総額=基本手当日額×所定給付日数

例えば、「50歳、一般離職者、退職日前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算して12か月以上」の例を試算してみますと、下記になります。

まず、「一般離職者」の受給期間は150日。

例①: 賃金日額  2,577円/日(50,000円/月)の場合⇒失業手当日額2,061円/日(最低日額:全年齢一律2,061円/日)。

受給総額:2,061×150=309,150円

例②: 賃金日額10,000円/日(300,000円/月)の場合⇒失業手当日額5,924円/日

受給総額:5,924×150=888,600円

例③: 賃金日額20,000円/日(600,000円/月)の場合⇒失業手当日額8,265円/日

受給総額:8,265×150=1,239,750円

失敗しない早期退職の準備 基本手当(失業手当)の受給額 まとめ

・失業保険で支給される失業手当の額は、退職日から過去6か月の平均賃金額の45~80%

・受給できる失業手当の額は、年齢や過去の賃金額によって異なる

・受給できる失業手当の額は、上限額と下限額が決まっている

失業手当の受給期間については、下記の記事をご覧ください。

失敗しない早期退職の準備 失業手当の対象者と受給期間