退職する決意が固まったら、次に考えることは、退職日をいつにするかということ。
円満退職は当然のこと、できればお得に退職したいですよね。
実は、退職する日によって支払う社会保険料に差がでることがあるのです。
結論から申し上げますと、退職月の最終日を退職日にすること。
理由は社会保険料の納付システムにあります。
それでは、詳しく説明しますね。
お得を享受できる人
まず、お得に退職できる対象となる人は、下記の方。
お得に退職できる人
- 退職後に無職となる方
- 70歳未満の会社員
- 会社勤めが通算10年以上
社会保険料の仕組み
企業にお勤めの場合、社会保険料の支払いルールには、4つの重要なポイントがあります。
1つ目は、日本は皆保険制度であること。退職しても社会保険は支払う必要があります。
2つ目は、保険料は従業員と会社で折半されること。
3つ目は、支払いは前月分が当月分の給与から天引きされること。
4つ目は、退職日の翌日の前月分が給与から天引きされること、です。
月末最終日がお得なポイント
- 日本は皆保険制度、退職しても社会保険料は支払わなければいけない
- 社会保険料は、従業員と会社で折半
- 保険料の支払いは前月分が当月分の給与から天引き
- 退職日の翌日の前月分が給与から天引き
社会保険料が退職日で差が出る理由
図で示しますね。
例えば、8月31日(月の最終日)と8月30日(月の最終日以外)を考えます。
8月30日に退職した人、31日に退職した人、いずれも9月以降は、無職になります。

国民皆保険制度である日本では、9月も社会保険料(国民健康保険(あるいは任意継続保険)、国民年金)を支払う必要があります。
無職なので給料天引きでなく自己負担です。
次に、8月分の保険料の取り扱いについて注目ください。
社会保険料は、前月の分が当月に支払われます。
つまり、8月の給与では、7月の社会保険料が天引きされるのです。
これは、退職日に関係ありません。そして、在職中であるかぎり、支払われる社会保険料は会社と折半です。
ここからが本題。お得になる理由の最大のポイントです。
社会保険料の支払いルールに「退職日の翌日の前月分が給与から天引き」、というのがあります。
上の段(退職日が月末最終日(8/31))を見てみてみましょう。
退職日が8月31日なので、翌日(9月1日)の前月(8月)分が、給与から天引きされます。
しかし、9月は会社を退職しているので天引きするところがありません。
そこで、仕方なく、8月分給与から天引きされることになります。
給与天引きということは、自腹ではないので、8月分は、会社と折半です。
結果的に7月と8月の社会保険が8月の給与から一緒に天引きされます。
一方、8月30日が退職日の場合は、翌日(8月31日)の前月(7月)分が8月の給与から天引きされます。
では、8月分の社会保険料は、どうなるのでしょうか。
天引きされるところがないですよね。
ということは8月分は、全額自己負担です。
以上のことから8月分の社会保険料扱いが、退職日によって差が出てくるのです。
このことを知っているだけで、数万円の差が出てくるのですというからくりです。
まとめ
まとめます。
まとめ
- 退職後に再就職せずに無職になる場合、退職日はその月の最終日がお得
- 理由は社会保険制度にあり
- 1日違いで数万円の差が出てくる
退職までに引継ぎや様々なことで多忙になり、ついつい会社の言う通りの退職日にしてしまいですが、月の最終日にする、ことを知っているとお得です。